研究代表者は国内について、研究分担者は海外について、それぞれ授業観察の視点と分析方法の検討をおこなった。 国内研究(研究代表者)は中等社会科教育における「書くことの分析」について、兵庫県内の私立高校で現代社会の授業内でおとなわれた「デス・エデュケーショシ」を、年間5回に渡って追跡し、授業観察の視点として、法学(「正義論」)からのアプローチを試みた。 海外研究(研究分担者)は、アメリカ・ハワイ州の小学校での継続的な授業観察・学校観察で得られた観察記録を「エクイティ」(公正)に関する部分を抽出してデータベースを作成し、学習者の「エクイティ」認識がどう深化しているかという点に着目して進めることとした。 国内研究と海外研究を、正義・公正という共通の視点から比較研究し、社会科における論理的思考力と表現力の育成を「書くことの学び」から、どのように実現していくか、さらに研究を重ねる。研究の新たな視座を得る取り組みとしで研究代表者は少年院における教科教育の実際を視察し、また国内少数民族(アイヌ)にとっての正義に関する考察を行い、本研究のベースに法学の視点を通底させることを試みる。
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