研究目的:解決力・創造力・実践力を持つ福祉の担い手を育てる教科「福祉」担当教員の指導力向上に向けて、「福祉科教育法」の体系的指導法と教育プログラムの開発を目的とした。 研究方法:以下の文献・資料を参考とした。 1.学習指導要領解説 2.国際教育調査(OECDのPISAのリテラシー、DeSeCoのキー・コンピテンシー、IEFのTIMSS) 3.教科「福祉」担当教員への調査結果 4.従来までの福祉科教育の指導法 5.批判的リテラシーに関する文献、等 研究結果:文献・資料・調査結果等を基に、福祉科教育法の体系的指導法について、以下の知見を得た。その上で、教科「福祉」の教育プログラムを開発した。 (1)福祉科教育で育てる能力と子どもの実態(国際教育調査および教科「福祉」を学ぶ生従の状況)との関係から、批判的リテラシーを育てる必要性が浮かび上がった。 (2)従来までの指導方法は、系統的指導法による課題解決型学習が主であり、子どもの思考を育み、解決力・創造力・実践力を保証する探究型の問題解決型学習は少なかった。 (3)批判的リテラシーを育てるためには、子どもの思考や論理をゆさぶり、発展させるねらいや内容を含む「発問」づくりが学び方指導の核心となり、「問い心」を育てることを学び方学習の基本とする。 (4)(1)~(3)のことを基に、福祉科教育法の理念・目標、学習内容、学習方法、評価を検討すると共に、体系化を図り、プログラムの枠組みとした。 (5)プログラムの枠組みを基に、批判的思考を促す問いにより、質の高い福祉の知識・技術を習得し、解決力・創造力・実践力を育む教科「福祉」の3科目の教育プログラムを開発した。
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