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2008 年度 実績報告書

内容の屈折と論理の一貫:韓国の社会系教科におけるナショナリズム教育

研究課題

研究課題/領域番号 19530843
研究機関龍谷大学

研究代表者

権 五定  龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (30288641)

キーワードナショナリズム教育 / 屈折ナショナリズム教育 / 相剋ナショナリズム教育 / 啓蒙的ナショナリズム教育
研究概要

本研究は大きく、(1)韓国におけるナショナリズム教育の全体的流れに見られる傾向を明らかにすること、(2)軍事政権下で行われていたイデオロギー性の強いナショナリズム教育を受けた世代が中心になっている今日の学校教育において、ナショナリズム教育がどのような論理のもとで構成、実践されているかを明らかにすることに分けられる。
20年度は、(1)の作業結果を再点検し、19年度に引き続き(2)の作業を遂行し、その成果として次の三点を挙げることができる。
1、全国教員労働組合、歴史教育を考える教師の集いなど、リベラル派教員と言われる組織が中心になって開発した教科書、実践などの分析結果、排他的なナショナリズムが依然として教えられているのである。ただ、教育課程、教科書、授業レベルにおけるナショナリズム教育で取りあげられる排他の対象の変化が注目される。反共(反北朝鮮)、防日といった排他の内容が、反米、警日・警中(日本・中国を警戒する)と変わっているのである。このように、ナショナリズム教育の内容には変化が見られるものの、排他的論理は一貫している。
2、愛郷心が自然に愛国心と発展するなど、ナショナリズムの自然発生・形成は認め難く、教育(あるいは学習)によってはじめてナショナリズムが形成されるものと見られる。
3、ナショナリズム教育の中に事実認識重視の傾向がみられ、ナショナリズム教育のイデオロギー注入の危険性が軽減される兆しが見えてきた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 内容の屈折と論理の一貫 : 韓国の社会系教科におけるナショナリズム教育2010

    • 著者名/発表者名
      権五定
    • 雑誌名

      社会科研究 第72号(掲載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日韓間の教育紛争の構造と和平克復の可能性2009

    • 著者名/発表者名
      権五定
    • 雑誌名

      龍谷大学アフラシア平和開発研究センター叢書 (掲載確定)

  • [学会発表] 韓国の軍事政権下(1960-1980年代)におけるナショナリズム教育とその後の変化2008

    • 著者名/発表者名
      権五定
    • 学会等名
      龍谷大学アフラシア平和開発研究センター
    • 発表場所
      龍谷大学
    • 年月日
      2008-11-21
  • [図書] 東アジアにおける近・現代史教育-学校教育は和平構築に貢献してきたか2009

    • 著者名/発表者名
      権五定, 長崎暢子共編
    • 出版者
      龍谷大学アフラシア平和開発研究センター(印刷中)

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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