研究課題/領域番号 |
19530858
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
原島 恒夫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (70262219)
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研究分担者 |
小渕 千絵 国際医療福祉大学, 保健学部, 講師 (30348099)
太田 富雄 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70213733)
立入 哉 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (90294777)
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キーワード | 聴覚処理障害 / スクリーニング / ADHD / PDD / CHAPPS |
研究概要 |
平成19年度は、以下の研究を行った。 1. 通常学級に在籍する児の聴覚処理に関するチェックリストによる調査 平成18年度、研究協力者である小川が米国で使用されているチェックリスト(CHAPPS: Children's Auditory Processing Performance Scale)の日本語版を作成し、通常の学級に在籍する1年生から3年生、計282人のチェックリストの調査結果を得ていたので、平成19年度はその結果についての分析およびまとめを行った。今回の研究では、聴覚処理に困難がある場合、「聞く」「話す」「読む」の3領域に困難が現れると仮定して分析を行った。調査結果から全体の0.35%の児童に聴覚処理上の困難があると推定された。聴覚処理上の困難のうち「騷音下の聞き取り」「聴覚的な記憶」に困難を示す者が多かった。また、聴覚以外の免出も注意に何らかの困難を示す者とそうでない者とに分けられることも示唆された。 2. 聴覚処理障害スクリーニング用チェックリストの検討 上記の研究に基づき、教育現場で簡便に使用できる聴覚処理障害を有する児の日常生活および学習場面での不適応状况についての質問項目を精選し、聴覚処理障害スクリーニングチェックリストの作成に取りかかった。その際、米国で使用されているCHAPPSの他にも複数のチェックリストが存在するためそれらを集約する形での新たな日本版を作成する方針となった。また、米国版においては関連障害としての注意欠陥多動障害(ADHD)や広汎性発達障害(PDD)についての除外項目が不十分であることが示唆されたため、日本版ではこれらの軽度発達障害との鑑別の可能性を含めたチェックリストを再検討することとなった。
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