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2007 年度 実績報告書

聴覚障害児の階層的概念の獲得における帰納的推論過程の分析

研究課題

研究課題/領域番号 19530866
研究機関大阪教育大学

研究代表者

井坂 行男  大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (40314439)

キーワード聴覚障害 / 階層的概念 / 帰納的推論
研究概要

聴覚障害児における概念獲得においては,抽象的概念や科学的概念の獲得が遅滞し長期化することが明らかにされている。また,その要因について分析したところ,抽象的な知識や科学概念に関する知識の獲得は促せたが,概念的な類推能力が獲得されにくいことが認められた。そこで,帰納的推論(具体的な体験や経験および知識から帰納的に,より抽象的な知識を関連づけるための推論)における一般帰納,特殊帰納,混合帰納の獲得過程について,聾学校小学部第1学年から高等部専攻科までの児童生徒を対象に検討したところ,言語能力との関係が深いことが認められた。また,小学校児童では高学年段階で,帰納的推論能力が獲得される傾向が認められるのに対して,聾学校児童生徒で認められた。しかし,階層的概念に関する知識を提示すると,高等部生徒においては,階層的概念の知識を活用して,一般帰納がより促進されることも認められ,階層的概念の獲得を促進し,活用能力を向上させることも必要であると考えられた。
これらのことから,帰納的推論の獲得においては,言語能力の向上と,階層的概念の獲得を促していくことが重要であると考えられる。階層的概念の獲得を促すためには,各具体的な事例に関する概念属性をより多く獲得させるとともに,各事例間の共通属性の抽出が求められる。今後はこの概念的な抽出能力と帰納的推論能力の関係を明らかにすることも重要であると考えられる。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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