研究概要 |
1.具体的内容 アスペルガー症候群、高機能自閉症児をもつ親28名にペアレントトレーニングプログラムを実施した。事前事後の両方の評定データのある参加者18名分を分析した結果、日本版BDI-Hは1%水準で有意差がみられ(z=-2.673,ρ<.Ol)講座の事後では有意に参加者のうつ傾向が減少した。FDTは無関心、養育不安、夫婦間の不一致、厳しいしつけ、達成要求、不介入、基本的受容の7つの下位項目に分かれるが、養育不安が5%水準(z=-2.2124,ρ<.05)で有意差がみられ、達成要求が10%水準(z=-1.664,ρ<1)で有意傾向となった。講座を受けたことで、子どもの養育への不安が減少し、子どもの状態に合わせた要求水準に変化したことが伺えた。SSQ-6は1%水準(z=-3.269,ρ<.01)で有意差が見られ、講座の事後で参加者のソーシャルサポートとなる人が増えたことが示された。参加者がそれぞれ実施した課題数、達成した課題数については、参加者全体の実施課題数は102個、達成課題数は54個で達成率は52.9%であった。木戸(2004)の達成率は66.7%であり、ほぼ同じ成果を得た。 2.意義・重要性 アスペルガー症候群、高機能自閉症児をもつ親に対するペアレントトレーニングプログラムの有効性が示された。
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