徳島県の地域性を活かした特別支援教育コーディネーター(以下、コーディネーター)養成研修事業を確立し、大学と行政、学校の連携支援体制を構築するために次の研究計画に基づき実施した。 1)地域支援のための連携支援体制構想を明確にする。 (1)経験2年以上のコーディネーターを対象にした大学主催の公開講座を開催した。自校の事例についてコーディネーター同士で検討後、大学教員がアドバイスを行った。アンケート結果から、自身の質的向上に役立ったことが窺われた。 (2)鳴門教育大学教育・文化フォーラムを8月に開催し、行政・学校(園)・大学の各々の立場から、一人一人の教育的ニーズに応えるための取り組み状況について報告した。教員参加者155名へのアンケート結果から満足度が高いことが窺われた。 (3)9月に、日本特殊教育学会でシンポジュウムを開催して、行政(徳島県立総合教育センター)、学校(附属特別支援学校・小学校)・大学の立場から連携の在り方を報告した後、元教育委員会・現特別支援学校長が指定討論者として提言した。その結果、三者間の連携の重要性を再認識できた。 2)コーディネーター養成研修計画を検討する。 (1)管理職を対象に特別支援教育に関する意識調査を行った。その結果、通常学校の校長に課題意識が高く、大学、附属特別支援学校、県総合教育センターによる指導や支援の必要性が窺われた。 (2)コーディネーター養成研修計画について大学と総合教育センターとで検討し、コーディネーター研修資料集を作成し、次年度の研修資料に活用するとともに、県下の関係機関に配布した。 3)特別支援学校のセンター的機能を検討する。 (1)附属特別支援学校教員と大学教員が講師になって通常学校・園を対象に夏期研修会を開催した。 (2)附属特別支援学校の研究テーマの1つにセンター的機能を取り上げて、支援部と大学教員とで小学校をモデル校としてコンサルテーションを行い、その結果について研究報告した。 (3)附属特別支援学校のセンター的機能を含む特別支援学校の役割について大学教員と共同研究した結果を日本教育大学協会研究年報に投稿して採用された。
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