研究概要 |
近年,米国の小学校では,障害児学級(Special class)が廃止され,2004年度全障害児教育法(IDEA2004)の目的達成のために新たにラーニング・センター(Learning Center)が設置され始めている。そこにプログラムを含むサービス提供を行っているNPO・PO,さらに総括学校区教育委員会,学校区教育委員会,学校,そして自閉症のある児童生徒及びその保護者を対象に利用に関する調査を行った。ラーニング・センターは,個別指導計画(IEP)をもつ障害児だけではなく,学力の低い児童生徒も学ぶことができる通級システムである。結果として,自閉症のある児童生徒達は,主に国語の「読解」,算数の「文章題・図形問題」に関する指導を受けていた。しかし,指導を行っているNPO・POは応用行動分析(ABA)のプログラムを除き,そのためのプログラムを持ておらず,学習障害(LD)児用の読解プログラムを代替として使用していた。また,ここでNPO・POの専門家と協働する教員のための特別な研修は存在していなかった。1年後の全米学力テストにおける結果は,境界域以上の知的能力のある自閉症のある児童生徒達が特に改善を示し,低学年・中学年・高学年の順に成績が向上していた
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