スタッフトレーニングプログラムの成果を検討するための基礎テストの開発と基礎知識の学習プログラムを作成した。基礎テストは41問の行動分析に関する基礎的な知識を問うもので、行動分析の専門家群、学生群との比較から妥当性を検討した。基礎知識学習プログラムは約4.5時間の講義で、先に作成した基礎テストを用いた学習前後の比較から、学習プログラムの有効性が示された。学習プログラムを用いた基礎知識の学習が実際の指導スキルにどのように影響するかを検討するため数名の被験者を対象に指導スキルのロールプレイを実施した。実施にあたっては、予備的研究として、ロールプレイシナリオ(案)を作成し、ロールプレイ場面での指導スキルを評価するための評価シート(案)を作成し、その有用性を検討した。ロールプレイシナリオ(案)は、課題学習場面のシナリオを作成した。基礎知識の学習を終了した数名の対象者を対象にこのロールプレイシナリオ(案)を用いたロールプレイを実施し、評価シート(案)を用いた評価を実施した。その後ロールプレイ指導を行い、再度評価を実施したところ、顕著な指導スキルの改善が見られた。この研究成果によって、本年度実施予定のロールプレイを用いた指導プログラムのモデルとその評価の方法について検討することが可能となった。特別支援教育にかかわるスタッフの指導は、知識の習得だけでなく、実際の指導スキルをどのような方法を用いて指導するかが重要であり、知識の習得から指導スキルの習得までを一貫して学習することができるプログラムの開発と、なおかつその成果を客観的に示すことのできる評価方法の開発とが系統的に進められることが重要であることが考えられた。
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