• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

経営者が公表する予想利益と市場の効率性

研究課題

研究課題/領域番号 19539003
研究種目

特別研究促進費

研究機関神戸大学

研究代表者

村宮 克彦  神戸大学, 経済経営研究所, 講師 (50452488)

キーワード経営者予想利益 / 市場の効率性 / ミス・プライシング / 残余利益評価モデル
研究概要

本研究課題は、諸外国にはない日本独自の制度である経営者による予想利益の公表制度に着目し、その予想利益を残余利益評価モデルという企業価値評価モデルにインプットして株式価値を推定し、そうすることで現在割高、あるいは割安になっている銘柄を識別することができるかどうか(将来リターンを予測できるかどうか)にもとづいて経営者の公表する予想利益の有用性を判断するというものである。本年度は、経営者予想利益データと株式リターン・データの整備を行った上で、上記の研究課題に取り組んだ。その結果、経営者予想利益をインプットした企業価値評価モデルを利用することによって現在割高、あるいは割安になっている銘柄を識別することができ、実際に将来リターンを予測できることを発見した。経営者によって公表される予想利益は、しばしば彼らの私的な理由によって過度に楽観的、あるいは悲観的なものであり、投資者の誤った投資判断を引き起こすと非難されがちである。しかし、本研究でえられた結果は経営者予想利益に投資意思決定上の情報価値があり、投資者の企業価値評価にとって有用な情報であることを裏付けるものである。さらには、日本独自のこの制度が導入目的(投資者の合理的な投資判断を促す)を充足していることを再認識させるものでもある。また、本年度はなぜこのように経営者による予想利益を利用することで将来リターンが予測可能になるのかについても検討を行い、それは市場のミス・プライシングに起因するという証拠もえられた。これらの研究成果を取りまとめ、ファイナンスとインベストメントに関する邦文機関誌「現代ファイナンス」へと投稿し、査読制度を経て採択され、掲載の運びとなった。また、今年度11月には神戸大学経済経営研究所の兼松セミナーにて研究成果についての報告機会をえて、本研究課題の発展性についてセミナー参加者と有益な議論を交わすこともできた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 経営者が公表する予想利益に基づく企業価値評価2008

    • 著者名/発表者名
      村宮 克彦
    • 雑誌名

      現代ファイナンス 第23巻

      ページ: 131-151

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 残余利益評価モデルにもとづく財務比率の特性分析2008

    • 著者名/発表者名
      村宮 克彦
    • 雑誌名

      神戸大学経済経営研究所ディスカッション・ペーパー 第J91号

      ページ: 1-38

  • [雑誌論文] 倒産企業の財務比率の時系列特性2007

    • 著者名/発表者名
      桜井 久勝・村宮 克彦
    • 雑誌名

      国民経済雑誌 第196巻第6号

      ページ: 1-16

  • [学会発表] 経営者の予想バイアスと投資者の利益予測の困難性2007

    • 著者名/発表者名
      村宮克彦
    • 学会等名
      日本会計研究学会第66回全国大会
    • 発表場所
      松山大学
    • 年月日
      2007-09-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.rieb.kobe-u.ac.jp/academic/ResearchStaff/muramiya-j.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi