研究概要 |
1. 海外から2名の研究者J. C. Enbe氏とV. Z. Enolski氏を岩手大学に招聘し, 研究集会を開催した. 講演者はこの2名に加へ, 松谷茂樹氏(Canon), 中屋敷厚氏(九州大学)と大西であった. また招聘した2名とは正味10日間に渡って, 議論を重ねた. 内容としては, 種数2の超楕円曲線の定義方程式で微分作用も込めた最小方程式系を求めたこと, sigma函数の幕級数展開のHurwitz整性を計算実験で確認したことなどがあげられる. 2. 本研究代表者による執筆論文, 単著1編と共著4編が査読付きの学術誌に受理されてゐたが, その内2編は出版された. 1つは種数3のtrigonal curveの基礎公式を網羅したもの(印刷中), 2つ目は本研究代表者によるl hyperelliptic curvesのFrobenius Sickelberger型公式を種数3のtrigonal curveに拡張したもの(印刷中), 3つ目はJacobianに自然に導入されるstatificationに沿った加法公式を具体的に記述したもの(出版済み), 4つ目はそれをより自然な証明で拡張したもの(出版済み), 5つ目は種数4のpurely trigonal curvesについてのいくつか基本公式を記したものである(印刷中). 3. 当初の予定では海外出張により, 研究打合せを行ふことにしてゐたが, 公務関係で非常に多忙であり, これは実施できなかったため, 海外の研究者をこちらに招くこととなった. そのため, 補助金の使用内訳が旅費の使用に偏る結果となった.
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