研究概要 |
Edinburgh数学会の補助金を受けて7/25-8/10にEdinburghを訪問したが,その不足分を本補助金で補つた.訪問先ではJ.C.Eilbeck氏,J.Gibbons氏,M.England氏と密接な研究交流を実施した.その成果として,次の3つを得た:(1)(3,4)曲線と呼ばれる種数3の非超楕円的な代数曲線についてそのJacobi多様体の"自然な"最小定義方程式系を具体的に決定するために様々な角度から議論を重ねた。最終的な結果を得るために重要と思はれる多くの新たな知見を得ることができた.また,論文に仕上げるには,まだ研究を継続する必要があるものの,当面,調べる事柄を明確にできた.(2)Eilbeck氏との共著で執筆中の論文について,打合せを行なつた.これについても,最終的な段階までは至らなかつたが,今後の議論の方向を明確にすることができた.(3)楕円曲線のsigma函数をその標準的な変数に関して,原点の周りで羃級数に展開するときそれがHurwitz整になることは,経験的には知られてゐたのであるが,証明は今までなされてゐなかつた.その完全な証明を得ることができたので,Edinburgh滞在中にセミナーで研究発表をし,またWeb上に公表した. また,本補助金により購入した文具を使用して,楕円函数を形式的羃級数を用いて詳細に研究し,Bernoulli-Hurwitz数とTate-Shafarevich群の位数の間に成立する合同式についての結果をまとめ,最終的に査読付きの学術誌に発表した.
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