研究概要 |
散在型単純群J_4の局大部分群の既約Brauer指標の計算をFong-Reynoldsの定理などを適用することで、すべての奇素数pについて決定した。これにより、本研究の目標としていたp=3,11の場合に留まらず、すべての奇素数に対する既約Brauer指標の計算を考えることも可能となった。この研究成果は、8月に開かれた有限群論の研究集会で発表され、平成20年度に報告集として公開される。更に、この結果を基にまず、p=3の場合について、主ブロック以外の既約Brauer指標をほぼすべて決定した。この結果も学術論文としてまとめられ、平成20年度初頭に投稿される。この結果を利用した散在型単純群J_4のBroue予想に関する肯定的な計算も行われ、越谷氏、功刀氏との共著の論文として出版された。特に、今回の結果では、計算機による射影表現の指標計算が大変重要であり、これらを代数解析ソフトウェアGAP上の実行ソフトとして、開発したプログラムにより、計算している。このプログラムと計算内容については、12月に行われた研究集会「代数学と計算2007」で発表した。分担者の宮本氏からは、置換群の計算アルゴリズムについての研究を進めていただき、その研究結果は、平成20年度に論文として掲載されることが、決定している。上記以外でも、5月に行われたお茶の水大学でのセミナーや9月に東北大学で行われた「数学ソフトとフリードキュメント5」で研究発表を行い関連する研究者と活発な意見交換をすることができた。
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