| 研究概要 |
以前から行ってきた3次元代数多様体の因子的収縮射(divisorial contraction)に関する研究を継続して今年度においては以下の研究を行った.
指数が1の3次元端末特異点のうち,cE型およびcD型のものについて,その上空にある食い違い係数(discrepancy)が1の既約因子をすべて見つけた.その方法は3次元端末特異点を定義する方程式を変数変換等により変更,またはときによっては余次元の大きな空間の中への埋め込みを施した上で,さまざまな重み付きのブローアップを具体的に構成して,その例外因子が既約かつ食い違い係数が1となるようなものを構成することである.この構成の一部分として,cE型およびcD型の3次元端末特異点につぶれる因子的収縮射の大部分を見つけることができた.これは具体的な3次元代数多様体の双有理幾何にとって不可欠なものになると考えられる.またこれらの結果を応用して3次元端末特異点の特異点解消に表れる既約例外因子のうちで重要であると考えられるものについて,いくつかの計算を具体的に実行した.
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