セルバーグ跡公式は、保型形式の整数論の研究における強力な道具の一つであるが、扱うリー群の実階数が高い場合、跡公式自身が大変複雑な形をしており、直接には応用しにくい形をしている。現在、さまざまな方向への跡公式の簡易化、一般化が研究されており、保型形式の整数論の研究において重要な役割を果たしている。本研究では、このセルバーグ跡公式と本質的に同等な情報を含むレゾルベント跡公式の一般化である「レゾルベント型跡公式」の理論の構築、更なる一般化、得られた跡公式に基づいた保型形式やゼータ関数の研究をすすめる。
|