研究概要 |
交付申請書に記載した研究の目的及び研究実施計画は 1.Zariski pairについては,これまでの研究手法の総括とあらたな研究手法の展開. 2.non-Galois3次被覆を利用したZariski pair研究 の2点に重点をおいたものであった. まず,non-Galois3次被覆のついては,Zariskiの例を一般することに成功し,その論文は現在印刷中である.また,引き戻しによるnon-Galois3次被覆の研究を行い,その成果を論文「non-Galois triple covering of P^2 branched along quintic curves and their cublc equation(with T. Yasumura)」としてまとめ,現在投稿中でる. Zariski pair研究のあらたな手法では,splitting cuveの研究を開始した.f:X→Yは2次被覆とする.Y上の既約因子Dの引き戻しf^*Dが2つの既約成分に分解するとき,これをsplitting curveとよぶ.特に,Yが曲面のとき,splittng curveと呼ぶ.2008年度は,有理線織面Y上のある曲線Cがsplitting curveになるか否かの研究を行い,そのための判定条件を与えた.その際,整数論における「平方剰余の相互法則」の類似が成立していることを発見した.さらに,splitting curveに関する判定条件を用いて新たなZariski pairの例を与えた.これらの成果に関しては,現在論文を執筆中である.また,成果の一部を広島大学で3月に行われた研究集会Branched Coverings, Degenerations, and Related Topicsにおいて発表した.
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