本研究では、群スキームの変形理論を用いて、代数曲線の巡回拡大の引き上げ問題を扱うことが主題であった。その為に、変形群スキームの自然なコンパクト化を行うことを考えており、2次元の場合にネロンブロウアップを用いて実験を行った。この考え方により、混標数の場合の興味有る多様体が考察対称となることが期待されるものである。また、変形群スキームの構成において、様々な拡大群が現れるが、そうした変形群スキームの拡大群について、新たな結果を与えることが出来た。 群スキームの応用として、代数曲線を平面曲線として表す三浦理論を用いてその Picard 群の効率的なアルゴリズム構成を与えた。このアルゴリズムは、特異代数曲線も許すものであり、平面の単純性を選ぶために、特異点を許すものである。こうした考察は、一般代数曲線の Picard 群上のペアリングによる公開鍵暗号への道を開くものと考えている。
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