研究概要 |
複素空間型内の実超曲面について,そのリッチテンソル,構造ヤコビ作用素,構造ベクトル場,構造テンソル場を用いた研究,および剛性問題,スカラー曲率による挟撃問題を中心に研究を行ってきた.構造ヤコビ作用素とリッチテンソルに関連する結果として,構造ヤコビ作用素とリッチテンソルが可換で,構造ヤコビ作用素と構造テンソル場が可換であるものは(A)型の等質実超曲面とある種のホップ実超曲面を特徴づけることを証明した.スカラー曲率一定の条件のもとではすでに証明済みであったがスカラー曲率の条件が外せることを複素空間型の次元が2,3の場合も含めて証明を完成し,その結果を論文U-H. Ki, S. Nagai and R. Takagi, The Structure vector field and structure Jacobi operator of real hypersurfaces in nonflat complex space forms, preprintとして纏め学術雑誌に投稿し,現在査読中である.また, U-Hang Ki氏,栗原博之氏,高木亮一氏との共同研究によって,構造ヤコビ作用素とリッチテンソルが可換で,構造ヤコビ作用素が構造ベクトル場方向に平行であるのもは(A)型の等質実超曲面を特徴づけることを証明し,その結果を論文U-H. Ki, H. Kurihara, S. Nagai and R. Takagi, Characterizations of real hypersurfaces of type A in a complex space form in terms of the structure Jacobi operator, preprintとして纏め学術雑誌に投稿し,現在査読中である.実超曲面のスカラー曲率による挟撃問題に関しては,極小の場合に(B)型の等質実超曲面を特徴づける定理を得た.極小とは限らない場合についてもいくつかの結果を得た.
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