研究課題/領域番号 |
19540079
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
後藤 竜司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30252571)
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研究分担者 |
藤木 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80027383)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
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キーワード | カラビーヤオ多様体 / 超ケーラー多様体 / アインシュタインー佐々木多様体 / 一般化された複素構造 / 一般化されたケーラー構造 |
研究概要 |
今年度は次の二点に焦点を合わせて研究を進めた. (1)ノンコンパクト多様体上のカラビ予想 ノンコンパクトケーラー多様体上でリッチ曲率が零となるケーラー計量の構成を行った.シリンダー型計量の場合とコーン型計量の場合それぞれにたいして、モンジューアンペール方程式の可解性を調べた.特に、孤立特異点のクレパント解消上、その境界にアインシュタインー佐々木計量が入っていれば、すべてのケーラー類の中に、リッチ平坦なケーラー計量、つまりカラビーヤオ構造が構成できることを示した. (2)一般化された幾何構造の研究 昨年の研究で得られた一般化されたケーラー構造の安定性定理の応用について、研究を進めた.一般化されたケーラー構造はbihermitian構造と一対一に対応する.Bihermitian構造とは、二つの複素構造についてエルミート計量となり、トーションにたいしてある条件を満たすものである.正則ポアソン構造がケーラー多様体上にあれば、安定性定理から、一般化されたケーラー構造の変形族が得られる.この変形族の構成により、ファノ曲面、線織曲面にbihermitian構造の存在を示した.さらに、一般化されたケーラー多様体の自然な部分多様体の定義を与え、正則なポアソン部分多様体が上記、変形族に関して、一般化されたケーラー部分多様体となることを示した.これらの成果を論文にまとめて発表した.
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