研究概要 |
服部は8月に海外研究協力者のV.Chatyrkoを訪れ、また、Chatyrkoは5月と1月に島根大学を訪れ位相空間論と次元論に関する共同研究を進めた。その共同研究により、局所コンパクト空間の有限和となる空間について調べ、チコノフ空間Xのある(任意の)コンパクト化の剰余空間が局所コンパクト空間のn個の和となるための必要十分条件は、X自身がn個の局所コンパクト部分空間と1個のコンパクト部分空間の和として表されることであることを示した。また、逆に、Xがn個の局所コンパクト空間の和となるためには、Xのある(任意の)コンパクト化の剰余空間がn個の局所コンパクト空間の和となり、かつ、そのうちの1個がコンパクトになることであることも示した。これは、Henriksen-Isbellによる剰余空間が局所コンパクトになるための特徴付けの拡張となっている。また、距離空間(X, d)の計算モデルとしての形式的球体からなるドメインBXにおけるMartin位相に関しても研究を行い、以下の結果等を得た:実数直線R上における形式的球体からなるドメインBR上にMartin位相を与え、BRにおける1点(a, u)を頂点とする2つの等距離集合(等高線集合)Bd+(a, u)={(y, s) : |a-y|=u-s}とBd-(a, u)={(y, s) : |a-y|=s-u}を考える。このとき、Bd+(a, u)とBd-(a, u)の相対位相はR上の位相τ+とτ-をそれぞれ導く。このとき、τ+はSorgenfrey直線の部分空間(-∞,0]と、また、τ-はSorgenfrey位相と同相であることを示した。また、分担研究者の山内は、位相空間の超空間位相について調べ、強パラコンパクト空間から完備距離空間への任意の下半連続な閉値写像が,0次元距離空間へのある種の上半連続コンパクト値写像と連続写像に集合値選択関数としてfactorizeきれることを示し,強パラコンパクト性の集合値関数による特徴付けを与えた。
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