研究課題/領域番号 |
19540091
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
阿賀岡 芳夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50192894)
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研究分担者 |
宇佐美 広介 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90192509)
中山 裕道 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30227970)
今野 均 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00291477)
田丸 博士 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50306982)
兼田 英二 大阪大学, 大学教育実践センター, 教授 (90116137)
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キーワード | 平坦 / 慨平坦 / 左不変 / リー環 / リッチテンソル / ユニモジュラーリー群 / 可解リー群 / 不変式 |
研究概要 |
平成19年度は、3次元ユニモジュラー及び可解リー群における左不変で平坦・慨平坦な擬リーマン計量の研究を行った。 1.リッチテンソルの関係式について:我々の従来の結果より、リッチテンソルの関係式は3次元ユニモジュラーリー群について個別に求められていたが、今回それらを統一的に表示する公式を発見した。この関係式を用いると、3次元ユニモジュラーリー群が慨平坦な擬リーマン計量を許容すれば、そのリー環の導来環は2次元以下になることが、分類結果を用いることなく示せることになった。この関係式はリッチテンソル及びリー環の構造定数の成す多項式環の不変式としてとらえられるものであり、今後の見通しを与えてくれる重要な成果であるといえる。 2.標準型と不変量:3次元リー群上の平坦、あるいは慨平坦な擬リーマン計量の存在・非存在性をリー環の作る代数多様体の立場から把握するためには、リー環の変形・退化に適合した標準型を求める必要がある。今回そのような標準型を求めることに成功し、例えば3次元実可解リー環は連続的に変形する1つの属として表せることがわかった。これにより、3次元可解リー環が左不変で慨平坦なリーマン計量をもてば、田崎・梅原不変量の値が0以下になることを示すことができた。田崎・梅原不変量はリー環の代数的な不変量であり、それが左不変慨平坦リーマン計量という幾何構造と密接につながっていることが初めて明らかにされたことになる。 以上得られた結果の高次元化をめざすことが、来年度以降の一つの目標である。
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