研究課題/領域番号 |
19540102
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
大山 淑之 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80223981)
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研究分担者 |
小林 一章 東京女子大学, 文理学部, 教授 (50031323)
大阿久 俊則 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60152039)
吉荒 聡 東京女子大学, 文理学部, 教授 (10230674)
小舘 崇子 東京女子大学, 文理学部, 講師 (90317826)
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キーワード | 結び目 / 交代結び目 / 空間グラフ / Vassiliev不変量 / 有限型不変量 / 絡み数 |
研究概要 |
本年度は、局所変形を通してVassiliev不変量を研究することを第一の目的とし、仮想結び目や空間グラフに対しても、局所変形や不変量を通して、その性質を調べていくことを第二の目的とした。 本年度の結果は、交代結び目に関するものと2成分空間グラフの不変量に関するものである。双方とも研究協力者堀内澄子との共同研究である。 一つの交点を交差交換し、交代射影図が得られる射影図を概交代射影図という。概交代射影図をもち、交代射影図をもたない結び目を概交代結び目と呼ぶ。交代結び目Kに対して、一つの交点を交差交換してその交代結び目が得られるような概交代結び目の数をAlm(K)とおく。任意の自然数nに対して、Alm(K)>nとなるような交代結び目が存在することを示した。このAlm(K)は交代結び目Kの不変量ということもできる。 ある2成分空間グラフに対しても、絡み目と同様に絡み数を定義することができる。この絡み数の定義を少し変え、ある条件を満たす2成分空間グラフに対して、自然数の値をとる不変量を定義した。この新不変量が絡み数とは、本質的に異なるものであること、また、有限型不変量ではないことを示した。有限オーダーのVassniev不変量を有限型不変量という。絡み数がオーダー1のVassiliev不変量であることを考えると、定義を少し変えるだけで全く異なる不変量が得られることになる。この新不変量がどのような幾何学的意味をもつのか、今後の研究課題である。
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