研究概要 |
定義体が十分大きい場合に有限シュバレー群のコホモロジーと有限シュバレー群に対応するコンパクトリー群の分類空間のコホモロジーが次数付きのベクトル空間として同型になるという結果については昨年度プレプリントの形にまとめたがこれについて5月の北京(中国)での研究集会と2月の香川大学での研究集会で発表した.連携研究者である茨城大学の柳田伸顕教授とのChow ringのChern類についての論文は今年度になってProc.Amer.Math.Soc.138(2010)に掲載された.今年度は有限シュバレー群に関連する射影ユニタリ群と例外リー群のコホモロジーの研究について以下の成果を得た.極大トーラスの巡回群による拡大を極大トーラスの正規化部分群の中にとり,これについての同変コホモロジーの研究としてコンパクトリー群および有限シュバレー群の分類空間のコホモロジーを見直すことがより自然であるという着想を得た.これについては9月の信州大学での研究集会で発表した.また論文としてまとめたものが数理解析研究所講究録に掲載される予定である.射影ユニタリ群の分類空間のコホモロジーについて適切な元で局所化することによりmod 2コホモロジーがより簡潔に表示できることが判明した.これについては12月のハノイ(ベトナム)での研究集会で発表した.琉球大学の手塚康誠教授と茨城大学の柳田伸顕教授との共同研究として多項式環と外積代数のテンソル積の不変式環と例外群の分類空間のモチービックコホモロジーに関連したコホモロジーの同型についての結果を得,プレプリントの形にしてドイツのプレプリントサーバーにアップロードしてある.
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