研究概要 |
本研究は、最近筆者が提起した以下の2つの予想に取り組み、究極的な目標としてこれらのclutterのクラスを統合する、より広い自然なクラスを同定することを目指し、その取り組みの中で得られた様々な新しい問題群等も併せて考察することを目的としている。 (予想1):有向マトロイドの正サーキットからなるclutterのidealityは「縮退した射影平面、odd-hole clutterとそのblocker」の3つの無限系列をcoreに持つminimally non-ideal clutterのみを、禁止マイナーに持っであろう。 (予想2):Escher wallを含まないグラフのもつ5点以上の奇数点コードレスサイクル、もしくはその補グラフをなす点集合をhyper-edgeとするclutterのidealityは「縮退した射影平面、odd-hole clutterとそのblocker」の3つの無限系列をcoreに持つminimally non-ideal cltterのみを禁止マイナーに持つであろう。 予想1と2に関連する取り組みについて: Kashiwabara氏との共同研究によって、正則グラフの辺集合に付随するclutterの族の上で、clutterのideal性と、packing propertyを特徴づける研究を進めている。このクラスの上で、幾つかの限定的な条件を仮定した上で、上記の予想を含む強い予想を証明した。この方向性ついては、現在親展中であり、今後も多くの重要な進展が見込まれる。なお、本研究課題についての主要論文は、Kenji Kashiwabara,Tadashi Sakuma:The positive circuits of oriented matroids with the packing property or idealness.Electronic Notes in Discrete Mathematics 36:287-294(2010)が出版された。それ以外に、関連する諸結果3本が国際論文誌に受理されており、そのうち1本は2011年に発行される。
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