研究概要 |
1970年代にKunenはhuge基数を持つモデルから出発してω_1上に飽和イデアルが存在するモデルを構成した。本年度の成果として、我々は、Easton collapse強制法を導入し、その2段階反復強制法により同様のモデルが構成できることを示した。この構成法をω回反復することにより、すべてのω_n上に飽和イデアルが同時に存在するモデルを構成することができる。Kunenの元々の構成法が既に複雑であったため、Foremanによる後者のモデルの構成は更に複雑であったが、それを大幅に簡易化するにとができた。なお本結果は、論文"The Easton collapse and a saturated filter"として投稿中である。 Kunenのモデルでは、いわゆるChangの予想(ω_2,ω_1)〓(ω_1,ω)が成立するにとが知られているが、我々のモデルで成立するかは未解決である。しかし我々は別のアイデアにより、Kunenよりも簡単なモデルの構成法を発見した。更にこの手法を発展させることにより、3組に対するChangの予想(ω_3,ω_2,ω_1)〓(ω_2,ω_1,ω)が成立するモデルも構成するにとができた。にれも、Foremanによる既存の構成法よりはるかに簡単である。4組に対するChangの予想(ω_4,ω_3,ω_2,ω_1)〓(ω_3,ω_2,ω_1,ω)については現在でも未解決であり、我々の手法が解決の糸口を与えるものと期待される。なお本結果は、論文"Chang's conjecture for triples"として準備中である。
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