多粒子系または無限粒子系を配置空間に値をとる確率過程で表し、その性質を調べる研究は、確率論における中心的な分野の一つである。本研究で中心に扱われているのは、ダイソン模型(非衝突ブラウン運動)に代表される長距離相互作用をもつ系である。従来、得られている長距離相互作用無限粒子系は、初期値が平衡分布の場合など特別な場合に限られる。相互作用の長距離性から、極限無限粒子系は初期値によって振る舞いが大きく異なることが予想されが、その初期値依存性を調べるために、 (1)平衡状態に収束する初期分布の特徴付け、エルゴード性などを調べる。 (2)平衡状態の場合に1つの粒子に着目して、その漸近挙動を調べる。 (3)非平衡的である場合の時間発展はどのようなものかを調べる。 等を研究をすることが主目的である。
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