研究課題/領域番号 |
19540115
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菊地 文雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40013734)
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研究分担者 |
齊藤 宣一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (00334706)
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キーワード | 応用数学 / 解析学 / 数値解析 / 誤差解析 / 有限要素法 / 不連続ガレルキン法 / 事後誤差評価 / ハイブリッド変位法 |
研究概要 |
本年度は、理論解析と共に、具体的なスキームの作成と数値実験なども実施した。 1.文献調査は本年も引き続き実施した。特に、成書で不連続ガレルキン法についてふれたものが急増しており、遺漏なきよう努めた。重要な情報として、リフティング作用素の性質や離散ボアンカレ不等式等に関する結果も得られたので、我々の研究にも大いに役立つと考えている。 2.前年に引き続き、基本的なボアッソン方程式について、代表的な既存の不連続ガレルキン法を適用して数値実験を行った。特に、非対称な双1次形式を用いた手法において、理論的な収束速度よりも速い速度が観測される場合があることを、あらためて確認した。今後の解析課題の一つである。 3.Pin Tong のハイブリッド変位法を基礎とする不連続ガレルキン法を考案した。この手法では、要素内未知関数の他に要素間境界での未知関数(フラックス)を独立に利用することに特徴があり、そのため未知量は増える傾向がある。ただし、線形の楕円型方程式などでは、要素内未知関数に関する未知量は要素間未知量を用いて消去でき、その結果、従来の通常の有限要素法と同様な行列とベクトルを用いて離散化方程式を整理できる利点があり、通常の有限要素との共存や混用が可能である。 4.前項の手法をボアッソン方程式に適用した場合について、2次元と3次元問題に対して数値実験を行った。その結果、2項で述べたのと同様な数理的現象が観察され、今後の課題となった。 5.4項の手法につき、基本的な誤差解析も実施した。誤差定数に関する予備的考察もした。 6.3項の手法を平面応力問題に適用し、基本的な例題について解いて実用性を検討した。その結果、在来の有限要素程度の結果は少なくとも得られることを確認した。
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