研究概要 |
本研究では,集合値写像の非線形スカラー化手法の研究を行い,数理計画問題やゲーム理論への応用研究を行った。 1.大学院生との共同研究によって,ベクトル値関数に対するEkelandの変分原理と関連する等価な定理に関する結果を得た。これらの成果について,5月末に台湾で開催された非線形解析学と凸解析学に関する第5回国際会議(NACA2007)と12月に神戸で開催された最適化の技術と応用に関する第7回国際会議(ICOTA7)で発表を行った。現在,学術論文として投稿中である。 2.山田准教授及び大阪大学の谷野教授と,大域的最適化問題の外部近似法についての共同研究を行った。 NACA2007で発表を行い,学術論文として投稿中である。 3.山田准教授の協力を得て,非線形スカラー化関数の値を実際に計算するための手法について研究を行い,逐次数値計算によって近似するアルゴリズムが開発できた。NACA2007とICOTA7で発表を行った。また,その理論的部分を9月に中国青島で開催されたゲーム理論と応用に関する第2回中国会議(CMGTA'2007)で発表を行い,論文は刊行された単子本に採録された。 4.研究課題に関連して,分数計画問題の最適性条件に対して台湾中原大学の頼漢卿教授との共同研究,ベクトル値関数に対する均衡問題に対して台湾中山大学の姚任之教授との共同研究を立ち上げた。 5.ICOTA7では,海外からこの研究課題に関連する研究者を中心に11名を招待し,国内からの参加者3名を含めて特別セッションをオーガナイズすることができた。特に,スペインから参加したエルナンデス女史は,その後2月に新潟大学に外国人客員研究員として約1ヶ月滞在して集合値計画問題に関する共同研究を行った。また,米国から招待したゲオルギエフ氏とは,均衡問題に関する共同研究を行うことが出来た。いずれも現在,学術論文を作成中である。
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