研究概要 |
本研究では,集合値写像の非線形スカラー化手法の研究を行い,新たに統一的非線形スカラー化手法を提案してその有効性を確認し,数理計画問題への応用研究を行った。 1.大学院生との共同研究によって,集合に対するスカラー化手法を統一的に論じることの出来るスカラー化関数(Inf型とSup型の2種類6タイプ)を提案して,単調性や凸性の遺伝性が成立していることを明らかにし,台湾や日本で開催された国際会議(GC9, SJOM2008, NAO-Asia2008)で発表を行い,学術論文として投稿中である。さらに,その半連続性に関する遺伝性についても基礎研究を進め,3月末に東工大で開催された非線形解析学と凸解析学に関する第6回国際会議(NACA2009)で発表を行った。現在,学術論文を作成中である。 2.博士研究員との共同研究によって,ベクトル値関数に対するCammaroto-Chinni型の定理を得ることができ,国際会議NACA2009で発表を行い,現在,学術論文を作成中である。 3.山田准教授及び大阪大学の谷野教授と,大域的最適化問題の逆凸制約条件を持つ大域的最適化についての共同研究を行い,学術論文として国際会議の査読付会報に掲載された。また,そのリプシッツ関数に特化した最適化問題への応用研究を進め,国際会議NAO-Asia2008で発表を行って,学術論文として査読付会報に採択された。 4.包絡分析法や統計手法を利用して多次元データに関する評価方法の応用研究を行った。 5.研究課題に関連して,良設定問題(Well-Posed Problem)に関する研究についてイタリア,バレ・ダオスタ大学のG. P. Crespi氏から京都大学数理解析研究所で講演を行ってもらい,また,ベクトル値関数に対する均衡問題に対して台湾中山大学の姚任之教授と研究打合せを行った。
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