研究概要 |
前年度までの成果を利用して、本研究課題の中心となるべき課題について研究を行い、成果をまとめた。論文「Semantics for Constructive Epistemic Logics of Shallow Depths for Game Theory」を投稿中であり、もう1つを投稿準備中である。 ゲーム理論における意思決定過程の具体例を意味論的な道具を用いて解析し、限定合理性の認識論理的側面を考察した。有効だったのは、昨年度まで考察していたLarge Store vs, Small Storeとよばれるゲーム理論的な実例を手直ししたものである。そこでの意思決定基準で考察することにより、ゲームのプレイヤーによる実行可能性に関して構成的手法による判断基準にの運用が重要なことを示した。論理学的には、これを構成的数学の枠組みで記述することが必要である。その基盤として直観主義論理(intuitionistic logic)を採用することとし、直観主義的認識論理(intuitionistic epistemic logic)を構築した。ここには幾つかの技術的課題が出現するが、これまでの研究成果で大きく解決に前進できた。この成果に基づき、限定合理性概念の援用によるクリプキ意味論を視野に入れた証明論を再検討しつつある。国際会議や日本で開かれた国際ワークショップに出席し、この内容について発表するとともに、国内・海外の研究者とディスカッシヨンをすることができた。これによる成果を上記の論文にまとめた。
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