研究概要 |
交付申請書に記載した本年度の「研究実施計画」が以下のように達成された。 1.Xを位相空間E上のマルコフ過程,FをEの可算部分集合で集積点を持たないものとし,X°をXのE°=E-F上の部分過程とする.Xが双対過程を持つ場合に,X°のレゾルベント,X°から内在的に決まるフェラー測度,およびXの飛躍測度と消滅測度のFへの制限を用いて,Xのレゾルベントを完全に表現することに成功し,またXが対称な場合には,この特徴づけを生成作用素レベルでフラックスを用いて与えた. 2.Fを互いに交わらないEの可算個の閉部分集合(穴と呼ぶ)の集まりとし、各穴を1点化して得られるE°の拡大をE*=E°UF*とする.ポアッソン点過程を用いた穴繕い操作を繰り返すことにより,X°のE*への拡張であってF*からF*へは飛躍しないマルコフ過程を構成し,1で得られた特徴づけとの対応を決定した. この二つの結果はZhen Qing Chen教授との共同でなされたものであり、2論文としてJ.Functional Analysisに発表され、Probability Thgory and Related Fieldsで発表予定である. またこれらの結果は代表者によって,北京とルーマニアでの国際学会で発表された.
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