研究課題/領域番号 |
19540129
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
富崎 松代 奈良女子大学, 理学部, 教授 (50093977)
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研究分担者 |
篠田 正人 奈良女子大学, 理学部, 准教授 (50271044)
飯塚 勝 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (20202830)
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キーワード | 広義拡散過程 / 広義拡散作用素 / 境界条件 / 調和変換 / マルコフ性 |
研究概要 |
正則境界で吸収壁境界条件を課した場合に、消滅測度を伴う一次元広義拡散過程の調和変換について考察した。本質的に異なる拡散過程に変換されるか否かという問題が、変換前の拡散過程の大域的な性質に依存していることを明らかにした。次に、正則境界で反射壁境界条件を課した場合に、広義拡散過程の標本路の端点への到達時刻を用いて表現される或る条件付分布は、新たなマルコフ過程を導くかという問題を、有限状態空間の出生死滅過程に対して考察した。このような条件付分布は、正則境界で吸収壁境界条件を課した場合には、広義拡散過程の調和変換が施された新たな広義拡散過程の分布に一致することを示し、その生成作用素を決定した。一方、左境界点より先に右境界点に到達するという条件のもとで誘導される条件付確率過程の性質は自明ではない。このような確率過程を特徴づけるために、その推移確率について考察した。推移確率の表現において、元の出生死滅過程の推移確率が重要な役割を果たすことが分かり、様々な境界条件のもとで、有限状態空間の出生死滅過程の推移確率密度を決定した。そこで用いられた手法は、有限状態空間の出生死滅過程だけでなく、離散状態空間の出生死滅過程に対しても適用できることが判明した。また、シェルピンスキーガスケットというフラクタルにおいて、全域木の一様分布、および最小全域木を与える確率分布の極限測度をそれぞれ構成した。さらにその統計的性質を調べ、これらの2つの極限測度は別のクラスに属することを、対応する非交差ウォークの指数を具体的に計算することで示した。
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