研究概要 |
Set-maximal selectionを導入し、totally disconnected空間、小帰納的次元が0である空間、大帰納的次元が0である空間の特徴付けを行った。「位相空間が連続選択関数を許容すればその空間の次元は1次元以下であるか」(Open Problems in Topology II, Ed., Pearl)という長年の未解決問題に見られるように、連続な選択関数の存在と空間の次元との関連は2009年まで明らかになっていなかったが、昨年20年度に本研究成果として、任意の自然数nに対して、連続選択関数を許容する被覆次元がnとなる空間を構成し、連続選択関数の存在が空間の次元に必ずしも制限を与えるものでないことを示し、上記問題は完全に解決した。本年度の研究では上記問題の解決のために構成した空間を改良することにより、他のいくつかのOpen problemも解決できることを示した。更に、連続選択関数に少し強い条件を付せば空間の各種の0次元性が完全に決定されることを示した。また、出版予定のサーベイでは(1)弱連続選択関数が存在するが弱順序付け可能でない空間の構成(Hrusak, Martinez-Ruiz)(2)弱連続選択関数により生成される位相が正規でない例(Tomita, Garcia-Ferreira)など最近得られた結果の簡略化を試みた。それと共に、(3)空間の連結性と順序付けの関係、(4)各種コンパクト性(可算コンパクト、擬コンパクトなど)と順序づけ可能性との関係、等を弱選択関数の存在を中心に据え整理し、古典的な種々の結果を見通しよくまとめた。(V. Gutev, T. Nogura, Weak orderability of topological spaces, Topology Appl.(掲載決定)
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