本年度は順序数の積のstrong zero-dimensionalityを、その手法に集合論の技術であるelementary submddelがうまく応用できないかという観点を持って、重点的に考察した。元々は順序数の無限積の考察を重点的に行う予定であったが、順序数の閉集合やコンパクト集合全体にVietoris-位相と呼ばれる位相を入れたHyperspaceのstrong Zero-dimensionalityを含む位相的性質の考察に、順序数の積の理論とelementary submodelの手法が応用できることを、防衛大学の寺澤氏と解明し次の結果を得た。 定理 1.自然数の部分集合全体からなるHyperspaceはstrongly zero-dimensionalである。 定理 2.任意の順序数のコンパクト集合全体からなるHyperspaceはstrongly zero-dimensionalである。 これらは2009年12月にジェネラルトポロジーシンポジ立ムで発表され、Hyperspaceの理論にelementary submodelの手法を導入した世界で最初の結果として、高く評価されている。 また、次の結果がTopology and its Applicationsに掲載され高い評価を得ている。 定理.順序数の部分空間は常にある順序位相空間と同相である。 更に、順序数の部分空間がある順序数に同相であることの必要十分条件が求められた。
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