この研究の発端は、1992年、家本、大田、玉野の結果「最小非可算順序数の2つの互いに素なstationary setsの積は、normalでもcountably paracompactでもない」である。K-normal、subnormalやstrongly zero-dimensionalはnormalに、またcountably metacompactはcountably paracompactに近い位相的性質として知られている。また、normalとcountably paracompactは積空間の理論において密接な関連を持っていることが知られている。その後、本研究代表者らのグループの一連の研究成果としてK-normal、subnormal、strongly zero-dimensionalとcountably metacompactは最小非可算順序数の2つの部分空間の積に保存されることが知られてきた。更に、strongly zero-dimensionalとcountably metacompactは順序数の有限個の部分空間の積に保存されることがわかってきた。一方、K-normal、subnormalは最小非可算順序数の3つの部分空間の積には一般には保存されないことがわかってきた。 本研究は、集合論的な手法を利用して、次を明らかにすることを目的としている。 (1)二つの積でnormalとcountably paracompactの違いを明確にする。 (2)二つの積で成り立つが、三つの積で成り立たない位相的性質を見つける。 (3)有限積で成り立つ性質が、どのような場合に無限積に保存されるかを考察する。
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