研究課題
本研究は、(1)シングルパスデザインの構成、および(2)2パスデザインの構成に関する研究を行った。(1) シングルパスデザインの構成に関して、Rosaは"graceful labeling"を提案し、それがシングルパスデザインの構成に対して有効であることを示した。「すべてのtreeは"graceful labeling"を持つ」ことが予想されているが、この予想はまだ解決されていない。解決しているのは、path、 caterpillar、 symmetrical tree、 firecracker、 symmetrical tree、 end pointが4個以下のtree、直径が5以下のtree、 olive tree、 regular bamboo tree、 banana tree、 extended banana tree、そして位数がある程度小さいtreeの場合のみである。本研究において、現在知られていないいくつかのtreeについてgraceful labelingを構成した。(2) 2パスデザインの構成に関しては、黒色1因子の研究と完全二部グラフの2パスデザインの研究を行った。前者は黒色1因子のコンピュータによる探索と新しいDudeney集合の構成であり、後者は、完全二部グラフの2パスの被覆問題の解決である。その主な内容は以下の通りである。完全グラフの4-cycleによる2パスの被覆問題はすでに解決されているが、完全二部グラフの4-cycleによる2パスの被覆問題は、一部しか未だ解決されていない。本研究において、完全二部グラフの4-cycleによる2パスの被覆が存在する必要十分条件は、(i)nは偶数、または、(ii)nが奇数かつλが偶数、のいずれかが成り立つことであることを証明した。(ここで、2nは完全二部グラフの位数、λは被覆の回数である。)これにより完全グラフ、完全二部グラフとも、4-cycleによる2パスの被覆問題は解決したといえる。
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Journal of Combinatorial Mathematics and Combinatorial Computing
巻: 75 ページ: 167-174
Working paper series, School of Administration and Informatics, University of Shizuoka
ページ: 1-10
ページ: 1-4