研究課題/領域番号 |
19540143
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
宮原 孝夫 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20106256)
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研究分担者 |
三澤 哲也 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10190620)
藤原 司 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (30199385)
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キーワード | レヴィ過程 / リスク評価 / オプション価格 / 価値評価 |
研究概要 |
数理ファイナンスにおけるリスク評価に関連した問題を、理論、モデル化、応用、の視点から研究した。 1.研究代表者・宮原孝夫は、レヴィ過程モデルに基づいたリスク評価の理論モデル構築研究の一環として、オプション価格評価モデルの問題を研究し、ミニマル・ディスタンス(minimal distance)基準でのリスク中立確率測度の存在と表現およびそれを使ったオプション価格付けモデとその応用について、論文発表と国際会議での口頭発表を行った。また、効用無差別価格に基づく価値評価法の確立を目指した基礎研究もした。 2.研究分担者・三澤哲也は、応用研究の一環として、「電力エネルギー事業」を対象に、それに関わる様々な収益リスクについて金融工学的観点からの分析を行った。具体的には、i)研究代表者・宮原孝夫の提唱する設備投資の新しい評価法を応用した発電施設投資のリスク評価、ii)気温変動による収益リスクをヘッジする気温オプションの価値評価、iii)先行する海外の電力卸市場における市場価格の時系列解析、などの研究に従事し、その成果の一部を公表した。 3.研究分担者・藤原司は、レヴィ過程に基づくモデル化のための基礎理論の研究の一環として、フィルトレーションに関する局所マルチンゲールの表現定理を検討した。この定理はレヴィ過程に基づくファイナンスモデルの数理的考察においてとりわけ基本的な役割を果たすものであるが、その証明は専門的技術性が極めて高く容易には理解し難いものである。本年度藤原は上記の表現定理の証明を詳細に検討整理し、より明解なものにする可能性を探った。
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