(1).複雑形状を有する図形の内部外部判定システム 非凸形状や中空部分を有する図形を対象とした2次元図形の輪郭を、『広い意味での2次元数値表データ』として捉え、任意に指定された点が、既存の複雑形状図形の内部に所属するか、外部に所属するかを判定するシステムを作製した。 (2).複雑形状を有する図形の認識システム 「任意に指定された点が、与えられた複雑形状図形の内部に所属するか、外部に所属するかの判定」が可能であるならば、本来形状認識作業は、上記(1)において作製されたプログラムを用いて実行可能である。しかし形状認識は、非常に多くの点に関する内部外部所属判定作業を要求するため、(1)で用いた数学的手法では、実行時間がかかりすぎるという問題を抱えていた。この理由として(1)で述べたシステムが、『少数ではあるが、任意に指定された複数個の点に対する内部外部判定を行う必要があった』ことに対して、(2)で述べたシステムは、『格子点などのように、規則正しく配列されているが、非常に多くの点に対する内部外部判定を行う必要がある』ことを要求するためである。 本システムでは、(1)で用いた『実行時間はかかるが、任意に指定された点の内部外部判定が可能な複素関数論的手法』を『規則正しく配列された点に対してのみ適用可能だが、実行時間のかからない隣接点判別法』に置き換えることで、上記問題を解決した。 なお本研究は、平成19年5月に、経済産業省産学連携プロジェクトの成果として、理化工業株式会社より、技術表彰を受けた。
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