研究概要 |
本年度の目標は,モデル理論がランダムグラフの諸性質を解析する際に,どの程度,有効であるかを確認することにあった.そこでランダムグラフに関連が深い,モデル理論の一分野であるgeneric構造に関する研究発表を,2007年7月に海外の研究集会(Logic Colloquium 2007,ポーランド)で行い,Generic構造とランダムグラフの関連牲について海外のモデル理論研究者と意見交換を行った. そしてこれらの意見を踏まえ,8月に筑波大学で開催された研究集会Model Theory Summer Meeting in Tsukuba 2007においてGenericモデルに関する研究発表を行い,筑波大学の坪井明人氏,神戸大学の桔梗宏孝氏などの国内のモデル理論研究者に,この研究の方向性について意見を求めた。 その後,以上の研究成果をまとめ,東北大学で開催された日本数学会秋季総合分科会でその成果を発表し,さらに京都大学数理解析研究所で開催されたRIMS共同研究「モデル理論の手法による無限構造の構成法」においても講演を行った(講演内容は論文にまとめられ,京都大学数理解析研究所講究録に掲載される予定である)。 また,この研究集会において,同時に,クリプケ構造とランダムグラフとの関係に関する研究発表も2件行った。この研究は産業総合研究所の岡本圭史氏との共同研究である。
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