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2010 年度 実績報告書

確率最小作用の原理とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 19540157
研究機関広島大学

研究代表者

三上 敏夫  広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70229657)

キーワード確率論 / 解析学 / 関数方程式 / 変分問題
研究概要

Knothe-Rozenblatt Rearrangement(以下簡単のためにKRR)の確率過程版であるKnothe-Rozenblatt process(以下簡単のためにKRP)の確率流のランダムな確率密度関数の表現定理を与えた.この関数は滑らかではないので,伊藤の公式を使って解析することはできないが,この表現定理により,その確率密度関数の平均などの解析が可能になる.証明には,KRPに対する双対定理により,そのドリフトベクトルが三角写像になっていることを使う.この表現定理とドリフトベクトルの満たす(KRPに対する双対定理から導かれる)Hamilton-Jacobi-Bellman方程式を用いて,このランダムな確率密度関数の空間変数にKRPを代入したものの対数の平均が凸性を持つことを示した.これは,KRRが平均を取らなくても同様の性質を持つことの一般化になっている.KRRのこの性質はBrunn-Minkowskiiの不等式を導く,今後,上記結果の確率分布に関係した変分不等式等への応用が期待される。次に、上記結果を用いて、KRPの確率分布関数の空間変数にKRPを代入したものの対数の平均がある種の凸性を持つことを示した。ここで,重要なのは,上記2種類の平均が,Fisher情報量により結びついていることである.変分不等式の研究において最適輸送問題が重要な役割を果たすが,そこで,鍵を握るのが所謂HWI不等式である.今後は,上記研究結果を直接各種変分不等式の研究に応用することが望まれる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Maxima and minima of overall survival functions with fixed marginal distributions and transmission of technology2011

    • 著者名/発表者名
      I.Higuchi, T.Mikami
    • 雑誌名

      Communications in Statistics-Theory and Methods

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Variational characterization of the Knothe-Rosenblatt type rearrangements and its stochastic version2010

    • 著者名/発表者名
      T.Mikami
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録

      巻: 1695 ページ: 35-55

  • [学会発表] ある確率制御問題の最小解の極限によるKnothe-Rosenblatt processの特徴付け2010

    • 著者名/発表者名
      三上敏夫
    • 学会等名
      日本数学会2010年度秋季総合分科会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2010-09-22
  • [学会発表] The Knothe-Rosenblatt processes by the singular limit of a class of stochastic controls2010

    • 著者名/発表者名
      三上敏夫
    • 学会等名
      Viscosity methods and nonlinear PDE
    • 発表場所
      北海道大学(招待講演)
    • 年月日
      2010-07-21

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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