研究概要 |
本研究はGelfand変換像及びHelgason-Wang変換像を特徴付けることにより、可換Banach環の分類を行い、その本質を探ることが主目的であった。実際これらの特徴付け問題から自然にBSE環とBED環という可換Banach環のクラスが生まれ、従って我々は可換Banach環を4つのクラス:(1)BSE and BED,(II)BSE and not BED,(III)BED and not BSE,(IV)not BED and not BSEに分類することが出来た。そこでそれぞれに属する環の具体例を考察した結果、どのクラスについてもある程度豊富にあることが分かり、これを纏めたものがドイツの数学雑誌Math. Nachr.,280,No.1-2(2007),105-126に掲載された。また可換Banach環のdense idealとして定義される抽象p Segal環を導入し、local multiplierと呼ばれるGelfand空間上の複素数値連続関数が自然に導出する抽象Segal環のBSE性とBED性を調査した。これらの結果は前出の数学雑誌に投稿中である。また可換Banach環の分類に関連して、指数型汎関数方程式、Banach空間値線型微分方程式、Hilbert空間上の正規作用素などのHyers-Ulam stabilityに関する結果や一般Hlawka不等式、Banach空間上の三角不等式に関する結果などを得た。 これらの結果はしかるべきジャーナルに掲載または掲載予定である。詳細は研究発表の欄を参照されたい。
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