研究課題/領域番号 |
19540163
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
竹内 潔 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (70281160)
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研究分担者 |
諏訪 立雄 新潟大学, 自然料学系, 教授 (40109418)
田島 慎一 新潟大学, 自然料学系, 教授 (70155076)
谷崎 俊之 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70142916)
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キーワード | D-加群 / 代数解析 / 特異点理論 / ラドン変換 / 偏屈層 |
研究概要 |
今年度は、まず群作用を持つ構成可能層のLefschetz型不動点公式について基礎研究を行い、不動点集合が高次元の多様体の場合に不動点指数を具体的に表示する公式を得た。 この結果はGoresky-MacPherson(Invent math, 1993)の結果の部分的な拡張になっている。さらに不動点多様体の余接束の中にLagrangian cycleを構成し、それと余接束の零切断の交点数が不動点指数と一致することを証明した。これは構成可能層のEuler数についての柏原の超局所指数定理を群作用付きの構成可能層に一般化するものである。 さらに、この我々の構成したLagrangian cycleが層の導来圏における順像や逆像をとる操作に関して良い函手性を持つことを証明し、柏原-Schapiraが特性サイクルについて得たほとんどすべての結果を群作用付きの状況に拡張した。これらの結果を総動員することで、従来の手法では困難だと思われる、不動点多様体にそって写像が膨張する場合にも不動点指数を具体的に書くことに成功した。つぎに構成可能層の積分変換の研究の進展について述べる。これについては、これまでに代数幾何における射影双対性の理論へ色々な応用を得ており、双対多様体の次数を書く公式についての基礎研究も十分行ってきた。我々はGelfand-Kapranov-Zelevinskyが判別式の概念の多変数多項式への自然な拡張として定義し研究したA-判別式多様体が双対多様体の一種であることに着目し、その次数を具体的に求めることに成功した。これまでの研究に比べて新しいのは、A-判別式多様体が超曲面でない場合でもその次元や次数を与えられた配置Aの幾何学的情報を用いて自由に書くことができるという点である。
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