研究概要 |
楕円型については,多くの結果をすでに得ているので,楕円型でいえたことが放物型ではどの程度成り立つかの研究にとりくんでいる。非有界領域R^n×(0,∞)の熱方程式の解temperatureの特殊解の積分表示を得,つぎに一般解を得るために,境界で0になるtemperatureとはどんなものかを決定することが問題となる。そのためには,熱方程式の解temperatureの積分表示に現われるガウスーワイヤストラス核をある種のフーリエ級数に展開することが必要である。 楕円型におけるポアソン核についてはいろいろとわかっているが,ガウス-ワイヤストラス核はそれほどわかっていない。フィンランド日本合同セミナーやモンテネグロ大学のパヴィセヴィッチ教授,イエラ准教授との研究討論等で今後の展開の方向がみえてきた。 また,楕円型における解である調和関数の無限遠点の性質についてはBeurling's minimum principle,determinationの問題等が解決されたので,熱方程式の解に対しても,この種の性質が成立することを考察したいがまだ入口にいる。 しかし,調和関数については,今年度も多くの結果を得ることができた。これらの結果は,国内の雑誌(Hiroshima Math, J.)に掲載された。またモンテネグロの雑誌(MATHEMATICA MONTISIVIGRI)に掲載されることが決まっている。
|