研究課題
局所コンパクトHaussdorff空間上の複素数値連続関数で無限遠点で消えるものからなる一様ノルムに関して閉じたバナッハ環を一般化関数環という。バナッハ環としては同形ではない2つの一般化関数環でその間に乗法的にスペクトルを保存する写像が存在するようなものを構成した。これは、単位元のある関数環では乗法的にスペクトルを保存する写像で結ばれる関数環はバナッハ環として同形であることと対比される結果で、単位元の有無がバナッハ環としての同型性に関しては異なった結果を導くことを示している点で興味深いといえる。このことから一般化関数環から一般化関数環への乗法的にスペクトルを保存する写像の形を決定すること、またそのような一般化関数環のあいだの関係は何か、に興味が持たれる。本研究により、一般化関数環から一般化関数環への乗法的にスペクトルを保存する写像はバナッハ空間としての同形写像を与えることが証明され、従ってこのような2つの一般化関数環はバナッハ環として同形といえるとは限らないが、バナッハ空間としては同形であることが分かった。つまり、乗法的にスペクトルを保存すると線形演算は保存されるが、一方では積が保存されるとは限らないという一見ら可換バナッハ環への写像で乗法的にノルムを非対称に保存する写像の研究については来年度以降に発展できると考えている。
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Nihonkai Jour. Math. 18
ページ: 11-15
Tokyo Jour. Math. (掲載決定)