研究課題
関数環から関数環への全射Tで単項式的に抹消スペクトルを保存するものの形を決定した。これは、乗法的に抹消スペクトルを保存する写像の結果の一般化である。対象の2変数単項式がm乗n乗の形でmとnの最大公約数が1であれば、対象の写像は荷重合成作用素であることが分かった。またmとnの最大公約数dがlより大きい場合はTのd乗がある荷重合成作用素のd乗であることを示した。この場合にT自身が荷重合成作用素となるとは限らず、線形でも乗法的でもないような例を示した。また、実バナッハ関数空間に対するStone-Weierstrass型の定理を証明した。その際に対象のバナッハ関数空間の分離条件が大切で、既に知られている条件を緩めた条件のもとで作用関数がアファインのみであることを特徴付けた。また、商的にノルムを非対称に保存する写像についてもその形を決定することができた。これは乗法的にノルムを非対称に保存する写像に関する結果を含むものでより一般的なものである。特に対合に対象性を仮定して述べられた半単純可換バナッハ環の間の写像の代数的性質に関する定理を、非可換のバナッハ環の場合も含めて対合の対象性の仮定なしに述べることの可能性を示した点で興味深いものである。また、単位的バナッハ環の可逆元からなる群の位相構造と代数構造の研究を行い,ある種のバナッハ環の可逆元からなる開部分群どおしが距離空間として同形であることと距離付け可能群として同形であることの同知性を示すことができた。この結果はつくばセミナーで発表されまた来年度に行われるアメリカ数学会のスペシャルセッションで講演する予定であり、さらに論文を作成しているところでもある。
すべて 2009 2008
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Mediterranean Journal of Mathematics (掲載決定)
Journal of Mathematical Analysis and Applic ations (掲載決定)
Nihonkai Mathematica1 Journal 19
ページ: 61-74