研究概要 |
メビウス変換群Mobの2元生成部分群Gのヨルゲンセン数J(G)はJ(A,B)=|tr^2A-4|+|tr[A,B]-2|(A,B∈Mob)とおくとき、J(G):=inf{J(A,B)|=G}により定義されるtype(p,q,r)(2≤p≤q≤r)の双曲型三角群GとはG=のことである。今年度は三角群のヨルゲンセン数,特にヘッケ群(type(2,q,∞)の三角群)および放物型(r=∞)の三角群のヨルゲンセン数について研究した。 1.研究成果今年度得られた結果は次の通りである。(1)ヘッケ群Gのヨルゲンセン数はJ(G)=4cos^2(π/q)である(ブレブリント)(2)放物型の三角群Gのヨルゲンセン数はJ(G)=4(cos^2(π/p)+cos^2(π/q))である(ブレブリント)(3)一般の(p,q,r)型の三角群Gのヨルゲンセン数はJ(G)=4(cos^2(π/p)+cos^2(π/q)+2cos(π+p)cos(π/q)cos(π/r))である(予想)。 2.研究発表今年度は公には研究発表をしていない。2009年12月中国海洋大学の李副教授のセミナーにおいて三角群のヨルゲンセン数について得られた結果及び予想について発表を行った。 3.今後の研究の展開に関する計画(1)一般の三角群のヨルゲンセン数を求める(上記予想の肯定的解決)こと(2)楕円型のヨルゲンセン群をすべて見つけること(3)古典的ショットキイ群及び一般のショットキイ群のヨルゲンセン数を求めること(4)古典的ショットキイ群によるリーマン面の一意化の問題等を考察することを考えている 4.外国における研究(1)アメリカのテキサス大学においてReid教授のところのJason Callahan氏はヨルゲンセン群等について低次元トホロジーの方向から研究を行っている。(2)楕円型ヨルゲンセン群に関し台湾のS.Huang准教授が研究を行っている。
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