本研究は対象を1変数正則写像に限定し、それらにより生じる正則分岐被覆構造を複素幾何学および複素力学系の視点から解明することを目標としている。具体的には次のような課題が目標である。 (1)ベル表現空間の決定とその上に作用するタイヒミュラーモジュラー群の構造決定 (2)リーマン面の正則自己写像によるタイヒミュラー空間上の力学的研究、特にカオス性や相転移等の分岐現象の解明 (3)一般的表現空間の幾何学的コンパクト化あるいは完備化の完成 (4)多項式・有理式・整関数による力学系の現存する特徴を総括できるような、正則分岐被覆に関する力学系理論の構築
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