研究概要 |
平成19年度は、今後3年間の研究期間の初年度ということで、その主な業務の一つとしては、資料収集、共同研究者との研究打ち合わせ、当該専門家による専門的知識の提供などである。以下に、其の具体的な活動内容を列挙する。 1)まず、変数係数の双曲型波動方程式の外部混合問題の局所エネルギー減衰についての先行研究を調べるために、いくつかの研究集会に参加・討論した。そこでのヒントから、思いもかけずに当該研究期間3ヵ年の目標の一つである、「非等方的」変数係数を持つ双曲型方程式の外部混合問題についての一様な局所エネルギー減衰評価を得ることに成功した。1966年にZachmanoglou氏は、1961年のMorawetz氏の定数係数の波動方程式についての有名な結果を、空間遠方で「等方的」な変数係数を持つ双曲型方程式の場合に一般化したが、今回得られた結果は、そのZachmanoglou氏の結果を「非等方的」な場合に部分的に拡張した結果となっている。この結果は、ドイツの数学専門誌「Math. Nach.」に投稿され、現在Revisedの状態で結果待ちである。 2)一方,空間変数にのみ依存するポテンシャルタイプの摩擦係数を持つ半線形波動方程式の非有界領域上の混合問題についての、藤田型臨界指数問題については、現在アメリカ・テネシー大学のTodorova氏との共同研究を続行中であり、2007年10月に10日ほど日本に来ていただき、断続的なセミナー・Review等を行った。この問題についても、現在ほぼ目的とする結果が得られており、平成20年度においては、米国テキサスで開催される国際会議AIMSにおいて発表の予定である。
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