研究課題
まず、劣臨界巾のポテンシャル型空間方向のみの変数係数をもつ半線形波動方程式の全空間での初期値問題を扱い、その非線型項の巾が、ポテンシャルの指数に依存して決まるある藤田型指数よりも大きいときの、小さい初期値に対する時間大域解の一意存在とその全エネルギー減衰率の導出、及びその藤多型指数以下の場合の任意の初期データについての有限時聞爆発について導出することに成功し、現在プレプリントにまとめてあり、今後2009年度中に専門雑誌に投稿する予定である。この研究は、米国在住のテネシー大学のG.Todorova氏及びB.Yordanov氏との共同研究によるものである。一方、上記研究においては、ポテンシャルの巾の指数が「劣」臨界的な場合を扱っていたが、次の問題としては「臨界的」な場合の研究がある。井上弐(広島大教育)との共同研究において(下記の文献11を参照)、第1歩として吸収項を非線型項としてもつ半線形波動方程式の初期値問題を扱い、その全エネルギーの一様減衰率を導出する簡便な方法を開発した。現在は、その井上氏との共同研究の手法とTodorova-Yordanov氏との上記共同研究の手法との組み合わせによって、臨界的なポテンシャル指数の場合の、爆発項を考慮した方程式の時間大域存在問題を考察中である。
すべて 2008
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Nonlinear Analysis, TMA 69
ページ: 1396-1401