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2009 年度 実績報告書

非有界領域上の双曲型方程式のエネルギー評価とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 19540184
研究機関広島大学

研究代表者

池畠 良  広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (10249758)

キーワード非有界領域 / 波動方程式 / 摩擦係数 / 変数係数 / 劣臨界 / エネルギー減衰 / 臨界指数 / 非線形問題
研究概要

米国テネシー大学数学科所属の共同研究者G. TodorovaとB. Yordanovとの共同研究を行い、次の結果を得た。全空間において、空間遠方にて劣臨界的に多項式減衰する摩擦係数と巾型非線形項を持つ、半線形波動方程式の初期値問題を考察し、その藤田型臨界指数問題の完全解決を果たした。摩擦係数が定数関数の場合には、世界中多くの研究者によって、その対応する半線形初期値問題の藤田型臨界指数問題は研究され尽くして来たようだが、その摩擦係数が空間あるいは時間に依存した場合の同様な問題には、これまでの方法が無力であり、新たなアイデアの登場が切望されて来た。今回は、変数係数の線形の波動方程式に対して共同研究者がこれまでに開発した新しい重みつきエネルギー法を、さらに非線形問題について対応できるように工夫して、所与の結果を得るに至った。考察のポイントは、如何に劣臨界的な摩擦項の存在から来る、当該方程式のいわゆる"拡散構造"を抉り出すか、ということにあった。これらの結果を導出するにいわゆる巧みなMultiplier法を適用しているので、当該結果はいわゆる外部混合問題などにも適用され、これまで研究の空白地帯であった、非有界領域上の方程式についての新たな境地を開発したとも言える結果である。また、科研申請時に掲げた当初の「研究の目的」の一部を達成したことにもなる。更に、摩擦係数が臨界的に振舞う場合への考察のヒントも得ることができ、今後の研究に繋げることが出来た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Critical exponent for semilinear wave equations with space-dependent potential2009

    • 著者名/発表者名
      Ryo Ikehata
    • 雑誌名

      Funkcialaj Ekvacioj 52巻

      ページ: 411-435

    • 査読あり
  • [学会発表] 臨界ポテンシャルを持つ線型波動方程式のエネルギーの最良減衰率2009

    • 著者名/発表者名
      池畠良
    • 学会等名
      研究集会「第5回非線型の諸問題」
    • 発表場所
      長崎商工会議所(長崎市)
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] Decay estimates of the energy for wave equations with a critical potential2009

    • 著者名/発表者名
      池畠良
    • 学会等名
      京都大学数理解析研究所短期共同研究:「流体と気体の数学解析」
    • 発表場所
      京大会館210号室(京都市)
    • 年月日
      2009-07-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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